五運六気は、東洋医学の三大古典の一つである『黄帝内経』（こうていだいけい）に記されているものです。
『黄帝内経』は『素問（そもん）』と『霊枢（れいすう）』の二部構成になっていて、五運六気の理論（運気論）は『素問』の後半に「運気七篇（うんきしちへん）」があり、ここで五運（天の気）と六気（地の気）の周期的な巡り合わせ、気候の変化、そしてそれが人の健康や病にどう影響するかが解説されています。

「五運六気（ごうんろっき）」は、こうした天候や気候が人の体にどう影響するかを読み解いているものなのです。

🪐「五運（ごうん）」とは？ その年1年間を支配する「木・火・土・金・水」の5つの気（五行）のことです。これにより、その年の基本的な気候の「性質」が決まります。

　🌳 木（もく）の気　性質： 伸びる、広がる、上昇する。「風」を生み出す力。
　🔥 火（か）の気　　性質： 燃え上がる、熱い、活発。「熱」を生み出す力。
　⛰️ 土（ど）の気　　性質： 育む、安定させる、まとわりつく。「湿気」を生み出す力。
　⛏️ 金（きん）の気　性質： 引き締める、乾燥させる、冷やす。「乾燥」を生み出す力。
　💧 水（すい）の気　性質： 冷やす、固める、静か。「寒さ」を生み出す力。

🌬「六気（ろっき）」とは？ 1年を6つの季節に分け、その時期ごとに巡ってくる「風（ふう）・暑（しょ）・火（か）・湿（しつ）・燥（そう）・寒（かん）」という6つの気候要因のことです。

この「五運（その年の性質）」と「六気（その時期の気候）」の組み合わせで、「今年は『湿』が強めだから、胃腸（土）の不調に注意しよう」「この時期は『乾燥』が来るから、肺や喉を潤すケアをしよう」というように、その年に流行しやすい病気や体調不良を予測しているものなのです。

この五運六気がよく当たるのは、それが神がかり的なものではなく、

1. 何千年もの気候と病気の「統計データ」
2. 太陽や惑星の「天体周期」

という、非常にマクロな自然の法則性に基づき、大きな傾向としてそのようになりやすいからです。これはなんと60年単位で捉えた理論なのです。

私たちは自然の一部です（天人合一）。気候の変化に上手に体を合わせて、元気に過ごしましょうね！🌱